この節では、BIZ PLATFORM のシステム設定について理解するため、BIZ PLATFORM のビジネスプロセス管理の全体構成をさらに詳しく解説します。
BIZ PLATFORM の機能構成は、次のようになっています。
BIZ PLATFORM は、複数の企業・組織のビジネスプロセスを管理するため、マルチテナント方式で提供されています。そして、このテナントの中は、「ユーザー/グループ情報」 「ライブラリ情報」 「プロジェクト情報」「ポータル」(※オプション)という大きく 4 つに分類できます。
1.5.1 テナント
「テナント」とは、BIZ PLATFORM がサービスを提供する、一番大きな単位です。ユーザー企業は、
このテナントの中で、自社のビジネスプロセスを管理します。
ユーザー企業が利用するサービスメニューに合わせて、当社またはパートナーがテナントを登録・設
定・削除します。
1.5.2 ユーザー/グループ情報
「ユーザー/グループ情報」は、BIZ PLATFORM の利用者の ID・属性・権限などを設定します。
「ユーザー/グループ情報」は、各テナントの複数のプロジェクトで共通で利用できます。
- ユーザー情報
- グループ情報
- タグ情報(閲覧タグ)
なお、ユーザー/グループ情報は、インポート・エクスポートすることができます(パスワード・ロール
を除く)。
ユーザー情報
「ユーザー/グループ情報」の中の「ユーザー情報」は、その名のとおり、ユーザー名、ログイン ID、
パスワード、メールアドレスなど、「ユーザー」(利用者)に関する情報を登録します。ここで登録した
ユーザー情報は、案件やライブラリでも利用できます。
ユーザーには、「ユーザー属性」という項目を付加できます。ユーザー属性は、管理画面でユーザー情
報を検索しやすくするグルーピング機能です。ユーザー属性を登録することで、任意のユーザー属性が
設定されたユーザーに対して、閲覧タグの一括設定、グループへの一括割当、ユーザーへのロール割当
が可能になります。
ユーザー属性には、ユーザーを管理するため、任意のテキスト情報を登録できます。ユーザー属性は、
ユーザー一覧に表示され、検索・ソートできます。
ユーザー種別
ユーザーには「ユーザー種別」という情報があり、次の種類があります。
- 通常:一般ユーザーです。特に管理者権限は持ちません
- ユーザー・グループ管理者:管理画面で、ユーザー・グループ管理を操作できます
- プロジェクト管理者:作成済みの指定プロジェクトを管理できます
- システム管理者:管理画面で、全ての機能を操作できます
BIZ PLATFORM の管理画面を利用するには、管理者権限を持つユーザー種別(ユーザー・グループ管
理者、プロジェクト管理者、システム管理者)を選択する必要があります。
グループ情報
「グループ情報」は、その名のとおり、BIZ PLATFORM の利用者の組織や「グループ」に関する情報
を登録します。「グループ」には、次の情報を登録できます。先述の「ユーザー」は、この「グルー
プ」によって分類することができます。
- グループ名
- グループ名(カナ)
- 備考
タグ情報(閲覧タグ)
BIZ PLATFORM は、案件やプロセス・ライブラリへの閲覧を制御するため、「閲覧タグ」という機能
を備えています。閲覧タグは、ユーザー側と案件側にそれぞれ付与することができ、両方のタグが一致
したとき、そのユーザーが案件情報を閲覧できます。
※プロセスやライブラリへのアクセス制御は、プロジェクトが持つ「ロール」機能でも実現できます。
※閲覧タグの名称は、一意である必要があります。また、グループ名と重複できません。
1.5.3. ライブラリ情報
「ライブラリ情報」は、案件間で共通となるマスタ情報を保管するライブラリの情報を追加・設定しま
す。ライブラリの利用例を以下に示します。
- 営業部門の商談プロセス:顧客マスタ、商品マスタ
- IT 部門の IT サービス管理:システム構成情報、サービス提供者との保守契約情報
- 管理部門の申請プロセス:よくある質問、申請マニュアル
「ライブラリ情報」は、各テナントの複数のプロジェクトで、共通で利用できます。ライブラリを利用
する方法には、次の 3 つがあり、プロジェクト内のプロセスや他のライブラリからも利用できます。
- 直接編集:ユーザーが直接に閲覧・登録・編集・削除
- プロセスから利用:プロジェクトから、プロセスに従って閲覧・登録・編集
- 他ライブラリから利用:他のライブラリから閲覧
なお、BIZ PLATFORM で、ライブラリに登録する情報のかたまりを「アイテム」と呼びます。これ
は、データベースのレコードに相当します。
ライブラリの情報は、インポート・エクスポートすることができます。
ライブラリのカテゴリ
ライブラリは、「ライブラリカテゴリ」により分類できます。ライブラリのカテゴリには、カテゴリ名
と説明を登録できます。通常、ライブラリのカテゴリには、「営業プロセス管理」や「IT サービス管
理」といったライブラリの利用目的や役割などの情報を登録して、複数のライブラリをグループ分けし
ます。
ライブラリのアクセス制御
BIZ PLATFORM は、プロセス・案件やライブラリの閲覧・編集・削除を制御するため、プロジェクト
側に「ロール」機能を備えています。
また、ライブラリも「閲覧タグ」を備えており、ユーザーやグループのアクセスを制御できます。
ライブラリの画面項目
ライブラリの「画面項目」は、ライブラリのアイテムを構成する詳細情報を保持します。たとえば、
「タイトル」「発行者」「内容」といった情報を保存することができます。
ライブラリのアイテム詳細画面に表示された画面項目は、「画面項目カテゴリ」によって分類できま
す。この画面項目カテゴリは、ライブラリ情報を表示するとき、一種の見出しになります。
画面項目には、次のような種類があります。一般的なユーザーインターフェースを実現するパーツを用
意しています。
画面項目型 | 説明 |
テキスト | 単行の文字列情報を保持します |
テキスト(複数行) | 改行を含んだ文字列情報を保持します。また、書式付きテキストや 画像表示も可能です。 |
コンボボックス | プルダウンリストから選択します |
ラジオボタン | 複数の選択肢から単独の項目を選択 |
チェックボックス | 複数の選択肢から複数の項目を選択 |
リストボックス | プルダウンリストから選択します |
日付 | 年月日および時間を保持します |
ユーザーマスタ | ユーザー情報を保持します |
ライブラリ | 関連ライブラリの画面項目を参照します |
ID(自動採番) | 連続番号を保持します |
数値 | 数値および演算結果を保持します |
添付ファイル | 添付ファイルを保持します |
ライブラリの画面項目では、「一覧型」と「ツリー型」を選択することができます。
「一覧型」ではアイテムが表形式で表示され、表示する画面項目、レイアウトを自由に設定することが
できます。
「ツリー型」ではアイテムが木構造で表示され、ツリーに表示するラベルを、任意のテキスト型項目か
ら選択することができます。
どちらを選択してもアイテム詳細画面の画面項目、レイアウトを自由に設定することが可能です。
ライブラリ画面項目の作成可能数
画面項目には、1 ライブラリあたり 190 項目(デフォルト項目含む)という登録上限があります。
登録できる画面項目の数は、管理画面の「ライブラリ管理」-「項目設定」で確認できます。
「作成可能画面項目」で、各画面項目に表示されている内容は、下記のとおりです。
- テキスト型 128 文字/数値 : 最大入力文字数 128 文字のテキスト型と数値型で作成可能
な合計残数 - テキスト型 255 文字 : 最大入力文字数 255 文字のテキスト型で作成可能な残数
- テキスト複数行型 : テキスト複数行型で作成可能な残数
- それ以外 : その他の画面項目で作成可能な合計残数
プロセスを作成したとき、最初に作成可能な画面項目数(デフォルトの画面項目を含まない)は、下記の
ようになります。
- テキスト型 128 文字/数値 : 89
- テキスト型 255 文字 : 29
- テキスト複数型 : 19
- それ以外の型 : 161
※登録できる画面項目の登録上限は、次のようにバージョンごとに異なります。
<Ver.2.10 以前>
80 項目(デフォルト 9 項目含む)+テキスト複数行型 5 項目(デフォルト 1 項目含む)
<Ver.2.11 以降>
80 項目(デフォルト 9 項目含む)+テキスト複数行型 10 項目(デフォルト 1 項目含む)
<Ver.2.15 以降>
190 項目(デフォルト項目含む)
1.5.4 プロジェクト情報
「プロジェクト情報」は、業務の手順である「プロセス」や業務の進捗状態である「ステータス」、業
務案件といった BIZ PLATFORM によるビジネスプロセス管理の中心です。
プロジェクト
BIZ PLATFORM によるビジネスプロセス管理は、「プロジェクト」という単位にまとめられていま
す。ここには、「プロセス」や「ステータス」「ロール」といった、ビジネスプロセスを管理するため
に必要な情報が集約されています。
また、「ユーザー/グループ情報」や「ライブラリ情報」といった、プロジェクト間の共通データも参
照できます。
プロジェクトのカテゴリ
プロジェクトは、「プロジェクトカテゴリ」により分類できます。プロジェクトのカテゴリには、カテ
ゴリ名と説明を登録できます。通常、プロジェクトのカテゴリには、「営業プロセス管理」や「IT サ
ービス管理」といったプロジェクトの利用目的や役割などの情報を登録して、複数のプロジェクトをグ
ループ分けします。
プロセス
「プロセス」とは、管理対象となる業務の手順(ビジネスプロセス)を定義したものです。BIZ
PLATFORM の「プロセス」は、業務の状態(ステータス)を並べて記述します。
BIZ PLATFORM のプロセスは、次の機能を持っています。
- プロセス種別:プロセスを構成するステータスと画面項目をグループ分け
- ステータス:業務案件の進捗状態を表す
- 画面項目:案件で管理する情報の各項目を表す
- アクション:案件のステータス遷移や案件に対する作業を実行する
- 関連プロセス:関連するプロセスを表す
- 起票設定:案件を起票する際に、コピーする情報を設定する
- マイタスク:案件の検索条件をユーザーごとに保存する
- チームタスク:マイタスクで共有するタスクを設定する
特に、プロセス名とプロセス種別・ステータスは、BIZ PLATFORM のビジネスプロセストップに次の
ように表示することが可能です。
ステータス
「ステータス」は、業務案件の進捗状態のことです。たとえば、業務の案件を「受付中」「作業中」
「作業依頼中」「承認待ち」「完了」というように、業務進捗をステータスとして記述します。BIZ
PLATFORM のプロセスは、このような業務の状態(ステータス)を並べて記述します。
プロセスの画面項目
プロセスの「画面項目」とは、ビジネスプロセスで管理する個々の案件の詳細情報で、案件詳細画面に
まとめられます。たとえば、「タイトル」「発行者」「受付日時」「優先度」といった、個々の業務依
頼を構成する必要情報を保持します。
案件詳細画面の画面項目は、「画面項目カテゴリ」によって分類できます。この画面項目カテゴリは、
案件詳細情報を表示するとき、一種の見出しになります。
画面項目には、次のような種類があります。一般的なユーザーインターフェースを実現するパーツを用
意しています。
画面項目 | 説明 |
---|---|
テキスト | 単行の文字列情報を保持します |
テキスト(複数行) | 改行を含んだ文字列情報を保持します。また、書式付きテキストや画像表示も可能です。 |
コンボボックス | プルダウンリストから選択します |
ラジオボタン | 複数の選択肢から単独の項目を選択します |
チェックボックス | 複数の選択肢から複数の項目を選択します |
リストボックス | リストから選択します |
日付 | 年月日および時間を保持します |
ユーザーマスタ | ユーザー情報を保持します |
ライブラリ | 関連ライブラリの情報を保持します |
プロセス | 関連プロセスの画面項目を保持します |
ID(自動採番) | 連続番号を保持します |
数値 | 数値および演算結果を保持します |
添付ファイル | 添付ファイルを保持します |
時刻 | 0:00から23:30までの時刻を保持します |
プロセス画面項目の作成可能数
画面項目には、1 プロセスあたり 190 項目(デフォルト項目含む)という登録上限があります。
登録できる画面項目の数は、管理画面の「プロセス管理」-「項目設定」で確認できます。
「作成可能画面項目」で、各画面項目に表示されている内容は、下記のとおりです。
- テキスト型 128 文字/数値 : 最大入力文字数 128 文字のテキスト型と数値型で作成可能
な合計残数 - テキスト型 255 文字 : 最大入力文字数 255 文字のテキスト型で作成可能な残数
- テキスト複数行型 : テキスト複数行型で作成可能な残数
- それ以外 : その他の画面項目で作成可能な合計残数
プロセスを作成したとき、最初に作成可能な画面項目数(デフォルトの画面項目を含まない)は、下記の
ようになります。
- テキスト型 128 文字/数値 : 89
- テキスト型 255 文字 : 29
- テキスト複数型 : 19
- それ以外の型 : 161
※登録できる画面項目の登録上限は、次のようにバージョンごとに異なります。
<Ver.2.10 以前>
80 項目(デフォルト 9 項目含む)+テキスト複数行型 5 項目(デフォルト 1 項目含む)
<Ver.2.11 以降>
80 項目(デフォルト 9 項目含む)+テキスト複数行型 10 項目(デフォルト 1 項目含む)
<Ver.2.15 以降>
190 項目(デフォルト項目含む)
アクション
「アクション」は、ユーザーが、案件のステータスを遷移させたり、案件に対するコメントを残したり
といった作業を実行する機能です。たとえば、営業部門の営業プロセス管理であれば、「営業担当を割
り当てる」「見積りを作成する」といった作業をアクションで記述しておきます。
アクションの実行結果は、案件の履歴に自動的に残すことができます。
アクションを設定するには、「ファンクション」と呼ぶ単純な動作を組み合わせて、ノンプログラミン
グで設定できます。
1.5.5 プロジェクトへのアクセス制御
プロジェクトのアクセス制御は、「プロジェクトメンバー」と「ロール」によって行います。
なお、プロジェクトに対するアクセス制御は、「閲覧タグ」によっても行えます。
「プロジェクトメンバー」とは、該当プロジェクトにアクセスできる「ユーザー」と「グループ」です。
BIZ PLATFORMの「ユーザー/グループ情報」は、複数のプロジェクトから利用可能になっています。そこで、各プロジェクトにアクセスできる「ユーザー」と「グループ」を、プロジェクト側で「プロジェクトメンバー」として登録しておきます。
「ロール」は、プロセスやライブラリへのアクセスを制御する必須機能です。
たとえば、「業務担当者」「マネージャ」というように、プロジェクトに対する役割を「ロール」として定義して、このロールごとに、プロジェクトメンバーを割り当てます。
さらに、この「ロール」に、閲覧できる「プロセス種別」「画面項目」や選択できる「アクション」「関連ライブラリ」などを割り当てます。
BIZ PLATFORM は、ログインユーザーの権限(ユーザー、グループ、ロール、閲覧タグ)によって画面に表示される項目が変化します。
これらの権限の管理は、すべて管理者権限で設定を行い、ユーザー自身が権限を変更することはできません。
ユーザーが閲覧権限を持たない場合に、非表示になる機能は下記の通りです。
- プロジェクト
- プロセス (当該プロセス内の全プロセス種別の閲覧権限を持たない場合)
- プロセス種別
- アクション
- 画面項目
- ライブラリ
- レポート
※本ドキュメントでは、ご利用者の権限によっては表示されない項目についても解説しています。
1.5.6 レポート
「レポート」は、プロセスや案件の任意の情報を一覧表示する機能です。レポートを出力するためには、出力項目をあらかじめ管理メニューで設定しておく必要があります。
1.5.7 外部システムと連携するイベント管理
「イベント」は、メールを送受信したり、他システムと連携したりするための機能です。BIZ PLATFORMでは、メールを受信して自動的に起票したり、アクションから指定したアドレスやフォーマットでメールを送信したりできます。また、アクションから、SOAPプロトコルにより、他のシステムと連携することができます。