BIZ PLATFORM は、ビジネスプロセス管理に必要な独自の優れた機能を、次のようにコンパクトに統合しています。
このうち、ビジネスプロセスを管理するために BIZ PLATFORM が備えている、次の特徴的な機能を解説します。
A. 業務の手順と案件の状態を並べて記述
B. 業務を見るための順番と、進める順番を別々に管理
C. 役割ごとの作業の違いをノンプログラミングで設定
1.4.1 A. 業務の手順は、案件の状態を並べて記述
まず、BIZ PLATFORM の最大の特徴は、案件の状態(ステータス)を並べて業務手順(プロセス)を記述
するという「状態遷移ワークフロー」にあります。
業務の案件は、状態を持っています。たとえば、「申請書を作成中」「確認中」「承認待ち」といった
具合です。BIZ PLATFORM では、このような業務の状態を並べて、業務の流れ(プロセス)を記述しま
す。BIZ PLATFORM では、この案件の状態を「ステータス」と呼んでいます。
これに対して、これまで多くの企業で承認・申請業務などに使われてきた一般的なワークフローでは、
やるべき作業で業務の流れを記述します。たとえば、「申請を受付する」「確認する」「承認する」と
いった具合です。
・BIZ PLATFORM
> 業務の流れ(プロセス):案件の状態(ステータス)を並べて記述
> 例:「受付中」「作業中」「承認待ち」
・ 一般的なワークフロー
> 業務の流れ(プロセス):やるべき作業を並べて記述
> 例:「受付する」「確認作業する」「承認する」
BIZ PLATFORM の案件の状態を並べる方式には、一般的なワークフローと比較して、次の 3 つの利点
があります。
A-1. 作業の待ち状態を表現できる
A-2. 作業の待ち状態を、複数の実作業に分解できる
A-3. 関係する案件同士を相互に関連付けできる
では、案件の状態を並べるメリットについて、詳しく説明しましょう。
A-1. 作業の待ち状態を表現
1 番目の利点は、案件の状態を並べて業務の流れ(プロセス)を記述すると、実際の作業ではない待ち状
態を表現できる点です。たとえば、申請書の承認という作業は、「承認待ち」という待ち時間と、「承
認する」という実際の作業時間に分けることができます。
多くの業務では、「承認待ち」という待ち時間のほうが、実際の作業時間より圧倒的に多いのが普通で
す。しかし、ワークフローのように実際の作業だけで業務の手順を記述した場合、待ち状態と作業中を
区別することができません。
これに対して、案件の状態を並べる BIZ PLATFORM の方式なら、待ち状態と実際の作業を分けてステ
ータスを記述することができます。
A-2. 作業の待ち状態を、複数の実作業に分解
2 番目の利点は、作業の待ち状態を、複数の実作業に分解できるという点です。たとえば、図のように
業務委託元の「作業中」という待ち状態を、ほかの担当者や関連部署・アウトソーシング先に業務を依
頼していて、依頼先での作業というように業務を分解できるのです。この依頼先の立場で、依頼案件を
見ると「受付」「作業中」「確認中」という複数の状態に分解できます。
A-3. 関係する案件同士を相互に関連付け
3 番目の利点は、このように業務を分解した場合に、業務の依頼元と依頼先の間で、関係する案件同士
を相互に関連付けできる点です。次図の例では、業務委託元で「作業(依頼)中」となっている案件があ
り、業務委託先で「作業中」の案件があります。そして、この 2 つの案件同士が、依頼元と依頼先で相
互に関連付けられています。
一般的なワークフローのように実作業で業務手順を記述していると、「作業(依頼)中」という自分では
実施しない作業は表現できません。一方、BIZ PLATFORM であれば「作業(依頼)中」という状態を記
述できます。そこで、業務依頼元では「作業(依頼)中」、業務依頼先では「作業中」というよう状態を
記述しておいて、その上で、関係する案件同士を相互に関連付けることで、業務の進捗状態を把握しま
す。つまり、業務の委託元から、業務委託先の進捗状態を把握して、委託業務のブラックボックス化を
回避できるのです。
このように BIZ PLATFORM では、案件の状態を並べて記述することで、ひとつの案件を複数の担当者
や部署で連携して処理するといった場合をわかりやすく管理できるのです。
1.4.2 B. 業務を見るための順番と、進めるための順番を別々に管理
続いて、BIZ PLATFORM によるビジネスプロセス管理の 2 番目の特徴である、"業務を見るための順
番と進めるための順番を別々に管理する"という点について説明します。
BIZ PLATFORM では、業務の手順を管理しますが、このとき「業務を見るための順番」(プロセス)と
「業務を進めるための順番」を別々に管理します。
- BIZ PLATFORM:
業務を見るための順番(プロセス)と、進めるための順番(アクション)を別々に管理 - 一般的なワークフロー
業務の流れ(プロセス):やるべき作業だけを管理
業務を見るための順場は、すでに説明したとおり、業務の状態(ステータス)を並べてプロセスとして記
述します。一方、業務を進める順番は、この状態(ステータス)の順番とは限りません。そこで、BIZ
PLATFORM では、どのように業務を進めるかは、状態(ステータス)とは独立して設定します。この業
務の進める順番を「アクション」と呼びます。次の図で、業務の状態(ステータス)と状態(ステータス)
をつなぐ、赤い矢印がアクションです。業務の案件は、このアクションに従って状態遷移します。
このように「業務を見る順番」と「業務を進める順番」を別々に管理すると、次のようなメリットがあ
ります。
B-1. 業務を見る順番を変えることなく、業務を進める順番を自由に設定・変更できる
B-2. どの状態(ステータス)に遷移するか、複数のアクションを記述できる
B-3. 案件の状態変化を制限して統制できる
B-4. ステータスが変化しない、案件情報を更新するアクションを設定できる
では、業務を見る順番と進める順番を別々に管理するメリットについて、詳しく説明しましょう。
B-1. 業務を見る順番を変えることなく、業務を進める順番を自由に設定・変更
まず、1 番目のメリットは、案件を見る順番を変えることなく、業務を進める順番を自由に設定・変更
できる点です。業務の進み方は、決して一方通行ではありません。進み方の早い案件であれば、一度に
複数の状態を通過する場合もあるでしょう。行ったり来たりを繰り返す案件もあるでしょう。こういっ
た場合でも、BIZ PLATFORM のアクションにより、業務を進める順番を自由に設定・変更して対応で
きるのです。
B-2. どの状態(ステータス)に遷移するか、複数のアクションを記述
2 番目のメリットは、どの状態(ステータス)に遷移するか、複数のアクションを記述できることです。
つまり、ひとつのステータスに複数のアクションを設定・選択できるのです。案件の状態変化は、常に
ひとつだけとは限りません。複数のアクションを設定しておけば、業務を実行する人の判断で次の状態
を的確に選択することができます。
B-3. 案件の状態変化を制限して統制
3 番目のメリットは、案件の状態変化を制限して統制できるという点です。すでに説明したとおり、
BIZ PLATFORM ではひとつのステータスに複数のアクションを設定・選択できますが、設定されてい
ないアクションを実行することはできませんし、アクションがない状態(ステータス)には遷移できませ
ん。たとえば、「作業中」の案件を「承認」なしで「完了」に遷移することは、そのようなアクション
が設定されていなければできません。そのため、業務の進め方を確実に統制できるのです。
B-4. ステータスが変化しない、案件情報を更新するアクションを設定
4 番目のメリットは、業務の状態(ステータス)が変化しない、案件情報を更新したりコメントを残した
りといったアクションを設定できる点です。業務を行うということは、業務を進めるだけではなく、案
件の情報を一部だけ更新したり、関係者と連絡・調整したりといった作業も必要になります。このよう
な作業を実施しても、業務の状態はすぐには変化しませんが、BIZ PLATFORM ではこういった作業も
管理できるのです。
BIZ PLATFORM は、このアクション機能により、業務の手順と進捗を柔軟かつ的確に管理できます。
1.4.3 C. 役割ごとの作業の違いをノンプログラミングで設定
続いて、BIZ PLATFORM のビジネスプロセス管理の 3 番目の特徴である、"役割ごとの作業の違いを
ノンプログラミングで設定できる"という特徴について説明します。
BIZ PLATFORM では、先ほど説明したアクション機能により、役割ごとの作業内容や手順の違いに対
応できます。この設定は、マウスによるドラッグ&ドロップだけで、ノンプログラミング・ノンコーデ
ィングで設定できるので、専門の技術スキルや特殊な記述方法は必要ありません。
C-1. 役割ごとの作業の違いに対応
BIZ PLATFORM では、利用者の業務上の役割や案件の状態に応じて、表示するアクションを自動的に
切り替えることができます。
たとえば、ヘルプデスク業務であれば、利用者からの問い合わせに応えるオペレータと、全体の進行を
管理するマネージャやスーパーバイザといった役割があります。BIZ PLATFORM は、同じ「対応中」
ステータスであっても、オペレータの場合は、「コメントを行う」「訂正する」といったアクションだ
けを表示し、マネージャやスーパーバイザの場合は、さらに「削除する」「回答してクローズする」と
いったアクションを表示します。
BIZ PLATFORM は、このようなアクションを切り替えることで、 役割ごとの作業手順の違いに対応し
ます。
C-2. アクションは、ノンプログラミングで設定できる
BIZ PLATFORM のアクション機能の設定は、ノンプログラミングで柔軟に設定できます。
アクションは、「ファンクション」という単純な機能を組み合わせて定義します。この組み合わせは、
マウスによるドラッグ&ドロップで簡単に入れ替えできます。
そのために、BIZ PLATFORM の設定には、プログラミングのスキルやビジネスプロセスの専用記法を
身につける必要はありません。